『コレラの時代の愛』と、娼婦ラハブ
母親は息子の状態が恋の病というよりもコレラの症状に似ていたので恐慌をきたした。同種療法を行っている老人がフロレンティーノ・アリーサの名親になっていたが、トランシト・アリーサは人の囲いものになって以来、何かにつけてその老人に相談を持ちかけていた。(ガルシア・マルケス『コレラの時代の愛』p96)
左目が外を向いたままのロレンソ・ダーサはオウムのようにもう片方の目で彼を見た。そして一語一語、吐き出すようにして言った。
「売春婦の息子め!」(p126)
私の『コレラの時代の愛』についても、佳境に入ってきた。
『百年の孤独』の系図から、キリストの先祖を推し量ると、アウレリャノ大佐の子孫からだろう。ここに娼婦ピラル・テルネラが関係している。
そして、『コレラの時代の愛』の主人公フロレンティーノ・アリーサの母親は「売春婦」という設定になっている。
キリストの系図の中には、娼婦ラハブがいる。
さてヨシュアは、シティムの宿営地から対岸へ二人の偵察者を送り込むことにしました。任務は、特にエリコの様子を調べることでした。二人は娼婦ラハブの家に着きました。怪しまれないよう、そこで夜を過ごす計画だったのです。(ヨシュア記2:1 リビングバイブル)
遊女ラハブと彼女の家族、彼女に連なるすべての者たちはヨシュアが生かしておいたので、イスラエルの中に住み着き、今日に至っている。彼女は、ヨシュアがエリコを偵察しに遣わした使者をかくまってくれたからである。(ヨシュア記6:25 聖書協会共同訳)
(略)
サルモンはラハブによってボアズをもうけ、ボアズはルツによってオベドをもうけ、オベドはエッサイをもうけ、エッサイはダビデ王をもうけた。ダビデはウリヤの妻によってソロモンをもうけ、(略)
ヤコブはマリアの夫ヨセフをもうけた。このマリアからメシアと呼ばれるイエスがお生まれになった。
こうして、全部合わせると、アブラハムからダビデまで十四代、ダビデからバビロンへの移住まで十四代、バビロン移住からキリストまで十四代である。(マタイによる福音書1:1~17 聖書協会共同訳)