2021-01-21から1日間の記事一覧

どこに愛があるというのか!ー『百年の孤独』5

聖書の中にはメルキゼデクという「王」とも「祭司」とも言われるちょっと不思議な人物が出て来る。創世記(14章)にはアブラハムを祝福したサレムの王として。そしてヘブル人への手紙では、「イエスは、永遠にメルキゼデクに等しい大祭司」(6:20)というよ…

どこに愛があるというのか!ー『百年の孤独』4

百年の孤独蔵して蟻の群「コリアンダーは昔つくつていましたよねぇ」それほど昔と思わないままいやぁもう30ねんはゆうに過ぎたヤブカラシのつるたぐりよせつつせんねんはいちにちのよういちにちはせんねんのよう夢のまた夢バビロニアは確か神に用いられ・・…

どこに愛があるというのか!ー『百年の孤独』3

このところ世界各国で同性婚が取り上げられてきているが、『百年の孤独』の最初から最後までを貫いて横たわっているのは近親婚の禁忌である。 古い集落で共に育ったホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラ・イグアランはいとこ同士で結婚するが、母親か…

どこに愛があるというのか!ー『百年の孤独』2

…、ある暑さのきびしい水曜日のことだった。籠を持ったひとりの年配の尼僧が屋敷を訪ねてきた。戸口に出たサンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダは、てっきりただの届け物だと思い、美しいレースの布をかぶせた籠を受け取ろうとした。ところが尼僧は、フェルナンダ・…

どこに愛があるというのか!ー『百年の孤独』1

やがて迎えた三月のある日の午後、紐に吊したシーツを庭先でたたむために、フェルナンダは屋敷の女たちに手助けを頼んだ。仕事にかかるかかからないかにアマランタが、小町娘レメディオスの顔が透きとおって見えるほど異様に青白いことに気づいて、「どこか…